研究所について



尾道の帆布を原料から自分たちで作れないだろうか。
尾道の植物で帆布を染められないだろうか。
立花テキスタイル研究所は、そんな素朴な思いからたち上がりました。

今はかつてないほどモノに溢れた時代。
その中でさらにモノをつくり続ける意味を、いつも問い質してきました。
できる限りつくらない。
できる限り買わない。
私たちの目指すのは、「不用とされるもの」を「資源」に読み直すモノづくりです。
鉄鋼所から廃棄される鉄粉、家具屋さんや農家さんから出る木っ端、牡蠣の殻、年々増えていく耕作放棄地。
一度は見放されたものたちを、染色技術を通してもう一度「資源」として捉え直したい。
私たちはそう考えています。

「宝物」というと遠い地にある気がしてしまいますが、そんなことはありません。
視点を変えれば、私たちのすぐ足元に広がっています。
そんな思いを布にたくし、日々モノづくりをしています。




SDGsへの取組


2009年の立ち上げ当初より、地球環境と社会の持続可能を目指し、地域に根ざしたモノづくりを探究し続けています。


染料について

草木染めは、植物の葉や茎、根っこなどを煮出した液体に、繊維を浸して加熱させ、金属イオンと結合させて発色させる方法です。
金属イオンとの結合を媒染(ばいせん)と呼び、鉄やアルミニウムなどが利用されます。化学染料は一切使用しておりません。

媒染液・排水・洗剤

一般的に、使用される媒染液は毒性のあるものが多く、特に銅媒染は発色が良いため好まれますが、環境負荷が高いため、当社では使用しておりません。
製造プロセスにおける素材や材料、洗剤においても、100%の天然由来のものを使用しており、使った後はそのまま自然に還すことができます。

柿渋染め

多くの草木染めと異なり、素材を柿渋に浸して乾かす柿渋染めは、植物を煮出す必要がありません。
そのため、染色過程でガスなどを使用せず、一貫して非加熱で行える最もエネルギーコストの低い染め方の一つです。

裁断、縫製

大きな機械を導入すると、ガソリン等のエネルギーコストがかかり、最終的には産業廃棄物となってしまいます。
私たちは、ハサミ一本で裁断し、職人がミシンで作り上げる、という人の力が最もエコな手法だと考え、実践しています。

パッケージ

値札のタグや当社の名刺は、尾道市の紙誠株式会社が製造する、帆布の糸くずを使った完全再生紙(帆布生地30%、古紙70%の完全再生紙)を利用しています。

綿の栽培

地域の農家さんや、弓削島の特定非営利活動法人 弓削の荘 に委託し、オーガニックコットンの栽培していただいています。栽培中や製品化後も、綿に残る枯葉剤や化学肥料による人体への影響は懸念されており、栽培していただく方やお客様の健康を第一に、オーガニック栽培にご協力いただいております。

運搬

そのほかの原料や素材についても、可能なかぎり近隣エリアのものを調達し、運搬エネルギーの削減に努めています。

雇用促進・働き方の多様性

ひとの手で製品を作り上げるため、積極的に地元の人を雇用させていただいています。
綿花栽培を委託する弓削の荘さんでは、障がい者の方々の職業支援などもされており、雇用促進にもつながっております。
また、個人に合わせた自由な働き方の社会実験として、リモートワークや子育て世代に配慮した働き方など、模索しながら挑戦しています。

地域経済の活性

地域の方々と共に働き、地元企業や農家さんと連携して事業を運営することで、地域経済の循環を活性化に尽力しています。

人材育成

地域の方々にできるところから手伝っていただいたり、学生を対象としたインターンシップの受け入れを積極的に行なっています。
技術を教えることで将来的な人材確保、地域のモノづくりの基盤強化を目指しています。




タチテキの色について


タチテキの色

環境問題が深刻化する中、華やかで思い通りの色を追い求めるのではなく、
普段はゴミとして捨てられてしまうものを価値ある「資源」として見直すことを大切にしています。
化学染料のような色の強さはありませんが、地域の人たちの思いや営みがつまった色です。


色のいろいろ


  • 立花テキスタイル研究所 色のいろいろ
  • 立花テキスタイル研究所 色のいろいろ
  • 立花テキスタイル研究所 色のいろいろ
当社では、素材は綿をメインに、そのほか麻・絹・毛などを、染色材料にはワタ・ウォールナット・モモ・ススキ・柿渋・鉄粉などを用い、媒染に鉄・アルミを利用しています。
現在、商品に使用している色は、10年以上の研究を重ね、第三者機関に品質検査を依頼して、基準をクリアしたものです。
各製品のタグには、何の素材をどの染料で染めているのか記載しておりますので、ぜひお手に取ってご覧ください。


鉄粉プリント


尾道の鉄鋼所から出る鉄の粉を使ってプリントしました。
鉄粉は、ショットブラストという鉄板表面の錆を落とす時にできる副産物です。再利用するにはコストがかかり過ぎると毎月2万トンもの鉄粉が廃棄されています。
どうにか染色材料に使えないかと八王子の奥田染工さんに相談したところ実現しました。
帆布はプリントした時に生地目が出やすい8号を使用。あえてムラ感を出すように手で刷り、仕上げにやすりを掛けています。
裁断する位置によって表情がかわるので、一点ものを選ぶような楽しさがあります。
鉄が物理的についているので、一反でたいたい5〜10kg重くなっています。弊社一番の人気色。

ワタ染め


自社綿10%、ペルーのアスペロオーガニックコットン40%、アメリカ・インド・トルコ・ウガンダのオーガニックコットン50%をブレンドし、糸から作りました。通常のコットンは枯葉剤を使うことで、繊維の真ん中の空間が押し潰されてしまいますが、オーガニックコットンはその中の空間が保たれています。そのため、ふわっとした温かみのある触り心地になっています。
原料からこだわった糸を、綿花栽培で余った枝で染めました。茶色い枝からは想像できない美しいピンクベージュに染まります。
あえてムラ感を出し、微妙な縞に織り上げました。
捨てるなんてもったいないから染めてみよう。もったいない精神と遊び心から生まれた私たちの大好きな色です。

柿渋


尾道はかつて、岐阜、京都につぐ柿渋の一大産地でした。漁網や船の塗装に使われていましたが、時代とともに需要が激減。数年前尾道に唯一残る柿渋工場が廃業されました。
しかしここ数年尾道の柿渋をもう一度復興させようとする動きが高まっています。その柿渋を使い、浸けては乾かし、浸けては乾かしを繰り返し染め上げました。
帆布は目が細かい10号を使用。弊社の中でも薄手の帆布ですが、ミシンの針や裁ちばさみの摩耗が一番激しいのが、実はこの柿渋染め帆布です。軽い上に頑丈という良さがあります。
また使うほどに色が変化したり、アタリ感が出て、革のような変化を楽しめます。

柿渋鉄媒染


尾道はかつて、岐阜、京都につぐ柿渋の一大産地でした。漁網や船の塗装に使われていましたが、時代とともに需要が激減。数年前尾道に唯一残る柿渋工場が廃業されました。
しかしここ数年尾道の柿渋をもう一度復興させようとする動きが高まっています。その柿渋を使い、浸けては乾かし、浸けては乾かしを繰り返し染めた生地を、鉄媒染して黒く染め上げました。
媒染液は尾道市内の炭焼き小屋から出る木酢液と、鉄粉プリントにも使われている造船所から出る鉄の粉とお湯を混ぜ、数日間寝かしたものを使っています。木酢酸鉄は鮮度が命。鮮度が落ちると濃く染まらないので、その都度鮮度を見極めながら媒染しています。
使うほどにアタリ感が出て、地の柿渋の茶色がチラチラと見えてきます。




工場・製造過程


昭和8年創業の尾道帆布株式会社で、職人が織った帆布を使い、ひとつひとつ丁寧に縫製しています。

  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場
  • 立花テキスタイル研究所 工場




商品のお手入れ



立花テキスタイル研究所では、自然の染料や顔料で色をつけています。
堅牢度の高い染料を厳選し、お洗濯に強くなるよう日々研究しておりますが、
それでも化学染料に比べるとどうしても色の変わりが早く訪れます。
日々のお手入れに少し気を使って頂くと、お気に入りのアイテムをより長くお楽しみ頂けます。

日々のお手入れ


普段のお手入れは、ブラシを使って落として下さい。小さな汚れは消しゴムをご使用になると便利です。保管は、風通しのよい乾燥した場所に置いてください。湿気が多いとカビが生えることがあります。
植物染めの製品は、レモン汁などの酸性のものやアルカリ性の洗剤で色が変色してしまう場合がありますので、ご注意下さい。長時間日の当たる場所に置くのはお避け下さい。

お洗濯


なかなか落ちない汚れは、中性洗剤でやさしく手洗いして下さい。
漂白剤は色落ちの原因に、アルカリ性洗剤は変色の原因となりますので、使用しないで下さい。
洗濯機を使わない方が型崩れしません。
金具部分はすぐに乾いたタオルで水気をよく拭き取って下さい。
濡れた状態で長時間置いておくと変色の原因になります。
できるだけ水分を切り、裏返し、シワを伸ばして、風通しの良いところに陰干しして下さい。

それでも色が変わってしまったら


それでもお気に入りの色が変わってしまったら、一部の商品を除いて染め直しも可能です(鉄粉プリントは不可)。
柿渋や藍で染め重ねることで、新しく生まれ変わった色をお楽しみ頂けます。




修理・染め直し



丈夫で長持ちの帆布ですが、年月とともに劣化していくのは避けられません。
できる限り長くお使い頂くために、立花テキスタイル研究所では修理や染め直しをお受けしております。
使い込むほどに味わいが深くなってくる帆布の良さを、修理や染め直しで、より長くお楽しみ下さい。

修理


立花テキスタイル研究所の商品に限り、修理を受け付けております。破損箇所や傷みの度合いによっては、修理ができない場合もございますので、まずはご診断させて頂きます。
修理が可能な場合は、1〜2ヶ月以内にお客様の元へお届け致します。まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

修理の流れ

@メールまたはお電話にてお問い合わせ
Aバッグを送る
「修理のご希望の箇所」と「お客様のご連絡先」を明記の上、バッグを下記宛に送って下さい。
送料はお客様のご負担となります。

〒722-0073 広島県尾道市向島町2655
株式会社立花テキスタイル研究所 修理係
tel.0848-45-2319

B見積りを送付
バッグを診断させて頂き、可能な場合はお見積りを郵送にてお送り致します。不可能な場合は、バッグをお返し致します。その際の送料は、お客様のご負担となります(着払い)。ご了承下さい。
Cお支払い
お見積書に書かれた代金を指定の口座にお振込み下さい。お振込みは、お見積り到着後、10日以内にお願い致します。振込手数料はお客様負担となります。
D修理
入金確認後、1〜2ヶ月以内に修理致します。
Eお届け
ヤマト運輸にてお届け致します。お届けの曜日、時間の指定がございましたら、あらかじめご連絡下さい。


染め直し


柿渋や藍で染め重ねることで、新たな気持ちでお気に入りのアイテムをお使い頂けます(鉄粉プリントは不可)。
弊社の商品以外でも、天然素材(綿・麻)でしたら染め直すこともできます。
商品の状態、素材によって適した染料がありますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。


染め直しの流れ

@メールまたはお電話にてお問い合わせ
Aバッグを送る
「お客様のご連絡先」を明記の上、商品を下記宛に送って下さい。
送料はお客様のご負担となります。

〒722-0073 広島県尾道市向島町2655
株式会社立花テキスタイル研究所 修理係
tel.0848-45-2319

B見積りを送付
商品を診断させて頂き、可能な場合はお見積りを郵送にてお送り致します。不可能な場合は、商品をお返し致します。その際の送料は、お客様のご負担となります(着払い)。ご了承下さい。
Cお支払い
お見積書に書かれた代金を指定の口座にお振込み下さい。お振込みは、お見積り到着後、10日以内にお願い致します。振込手数料はお客様負担となります。
D修理
入金確認後、1〜2ヶ月以内に染め直し致します。
Eお届け
ヤマト運輸にてお届け致します。お届けの曜日、時間の指定がございましたら、あらかじめご連絡下さい。




お取扱店一覧


東京

ペーパーウォール エキュート立川店
 〒190-0023東京都立川市柴崎町3丁目1-1

静岡

ギャラリー水嶋
 〒420-0911 静岡県静岡市葵区瀬名7丁目9-1

広島

アンデルセンカフェ ひろぎんホールディングス本社ビル店
 〒730-0031広島県広島市中区紙屋町1-3-8 ※2021年5月6日(木)オープン!

叶や
 〒730-0035 広島県広島市中区本通7-21

カスリラ
 〒730-8545 広島県広島市中区胡町5-1(広島三越 6Fカスリラコーナー)

暮らしの店en
 〒739-0012 広島県東広島市西条朝日町1-14

橋本家具
 〒729-0141 広島県尾道市高須町4834-12

島根
群言堂本店
 〒694-0305 島根県大田市大森町ハ183





Contents Copyright(C) 2016 Tachibana Textile Institute All Rights Reserved.

ページTOPへ